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離婚するときの夫婦の財産の清算について ~財産分与の割合と特有財産

働くお母さまの為の離婚相談

夫婦が離婚する場合には、夫婦の財産を清算する手続が必要となります。

 

これを、財産分与と言います。

 

離婚に伴う財産分与で、その分ける割合はどうなるのか?

 

また、どのような財産が財産分与の対象となるのか、あるいはならないのか?

 

今日はそのあたりについてお話したいと思います。

<目次>

1.財産分与の割合はどうなるのか?

2.財産分与の対象とならない財産(特有財産)は何か?

3.特有財産は立証できるかどうかがポイント

 

 

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1.財産分与の割合はどうなるのか?

民法752条では、夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならないと定め、経済的な関係を含めた夫婦の協力義務を定めています。

 

他方で、離婚する際には、夫婦は相手方に対して財産分与の請求をできるとされています(民法768条1項)。

 

これは、離婚に伴って、夫婦の上記の協力義務も終了するため、財産関係の清算を行う必要があるためです。

 

では、まず、この離婚に伴う財産分与について、その分与(清算)の割合はどの程度のものになるのでしょうか?

 

この点、夫婦が共働きである場合は、その収入の過多にかかわらず、概ね2分の1での割合での財産分与となるのが大まかな傾向です。

 

それでは、専業主婦(主夫)の場合の財産分与の割合はどうなるのでしょうか?

 

この点、かつては専業主婦(主夫)の分与の割合は4割から3割とされることが多かったようですが、近年では、専業主婦(主夫)でも、概ね2分の1(5割)の割合の分与が認められています。

 

このように、財産分与の割合については、基本的に夫婦の収入の過多・有無を問わず、2分の1の割合が認められることが多いのは、あくまで形式的な収入の過多・有無よりも、より実質的・具体的な家庭の財産の形成や維持について当事者双方がどの程度貢献していたのかという点に重点が置かれるからです。

 

ですから、たとえ専業主婦(主夫)であって、金銭的な収入がゼロであったとしても、家事や育児に専念し、家計のやりくりをして蓄財に努めたことなど、家庭の財産の形成や維持にそれ相当の貢献度があると評価されるのです。

 

ちなみに、家事労働や育児労働を仮にすべて外部に委託した場合、相当のお金がかかりますよね?

 

このことを考えれば分かりやすいかも知れません。

 

ただし、何か特殊な資格を取得するとか、専門的な勉強をして、それに基づいてその人にしかできない仕事によって築いた財産については、その金額が大きい場合には、その人に有利な財産分与の割合が適用される場合があります。

 

たとえば、夫婦の一方が株式投資の専門的な勉強を重ね、いわゆる財テクでかなり大きな資産を築いたという場合、単純に財産分与の割合が2分の1とされるのではなく、たとえば1:2の割合が認められるなど、その資産形成をした人に有利な分与の割合が認められる可能性があります。

 

2.財産分与の対象とならない財産(特有財産)は何か?

次に、財産分与の対象となる財産は、あくまで婚姻期間中に夫婦の協力に基づいて形成されたと評価できる財産でなければなりません。

 

逆に言えば、こうした婚姻期間中の夫婦の協力に基づかないで形成された財産(これを、「特有財産」と言います)については、財産分与の対象になりません。

 

財産分与の対象とならない特有財産の例としては、以下のようなものがあげられます。

 

(1)結婚前から持っていた財産

たとえば、結婚前に働いて貯めた貯金であるとか、結婚前に購入した不動産や有価証券(株など)、自動車などについては、特有財産となります。

 

いわゆる嫁入り道具も特有財産となります。

 

(2)婚姻期間中に親から生前贈与を受けたり、相続した財産

婚姻期間中に、自分の親から生前贈与を受けた財産は、特有財産となります。

 

また、同じく婚姻期間中に自分の親が亡くなり、親から相続した財産についても特有財産となります。

 

(3)別居後に得た財産

また、婚姻期間中であっても、いわゆる婚姻関係が破綻して夫婦が別居にいたった場合、別居後に各当事者が得た財産は特有財産となります。

 

これは、婚姻期間中であっても、夫婦関係破綻によって別居にいたった場合は、通常夫婦の扶助協力関係(民法752条)はそこで終了すると考えられるからです。

 

同様の理由で、財産分与の基準となる時期も、別居の時期となります。

 

つまり、婚姻期間中に別居にいたった夫婦の離婚に伴う財産分与については、別居時にあった財産がその対象となるということです。

 

3.特有財産は立証できるかどうかがポイント

ただし、特有財産は、夫婦の財産に混入してしまっている場合が多く、その立証が困難です。

 

たとえば、親から生前贈与で現金をもらったような場合、通常は契約書も作りませんし、そのまま夫婦の生活資金用の預貯金口座などに入ってしまうと、わからなくなってしまうことがあります。

 

この点、特有財産は、それが財産分与の対象には含まれないと主張する側が立証しなければなりません。

 

ですから、この場合などは、預貯金通帳のお金の流れなどを丁寧に追って、どこまで丁寧に立証できるかが重要なポイントとなってきます。

 

なかなか通常の婚姻期間中に離婚のことまで考えて証拠を残す発想で生活している人は少ないと思います。

 

ただ、親からの生前贈与や相続など、大きなお金が入った場合には、様々な意味できちんと何らかの記録(契約書、遺産分割協議書、覚え書き、家計簿、日記など)を残しておくことが重要だと思います。

 

 

 

 

 

 

  
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