ワーキングマザー離婚相談室(ワーママ・働くお母様・働くお母さん)
                 渋谷駅徒歩5分  
03-3463-4351

建物賃貸借のよくある誤解 ~契約は更新が原則?

働くお母さまの為の離婚相談

建物の賃貸借契約では、通常2年とか期限が定められていることがほとんどです。

 

この場合、2年の契約期間が満了した場合は、契約は終了してしまうのでしょうか?

 

貸主の方から、契約の更新はしないと言われた場合はどうすれば良いのでしょうか?

<目次>

1. 建物賃貸借で貸主から更新を拒絶することは可能か?

2.契約を更新する際に、貸主の同意が得られなかったらどうなるのか?

3.定期借家という例外

4.まとめ ~慌てて貸主の言いなりにならずに、専門家に相談を

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1. 建物賃貸借で貸主から更新を拒絶することは可能か?

建物賃貸借の契約で、たとえば契約期間が2年間と定められている場合、多くの場合は2年の契約期間が来たからそこで終了ということはないでしょう。

 

建物賃貸借契約の目的としては、自宅として使用したり、会社のオフィスや事務所などとして使用する場合が多く、たったの2年間で本当に契約が終了してしまっては、貸主にとっても借主にとっても不都合な場合が多いからです。

 

この点、借地借家法では、契約期間が満了しても、貸主借主双方が契約を更新しない旨の通知(更新拒絶の通知)をしない限り、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなすと規定されています(借地借家法26条1項)。

 

それでは、貸主がこの規定にしたがって、借主に対して契約期間の満了にあたり、更新拒絶の通知をした場合はどうなるのでしょうか?

 

この点、契約期間が定められており、しかも貸主の側から契約の更新はしないと言われると、無条件にそれに従わなければならないと誤解している人も少なくありませ。

 

しかし、借地借家法は、貸主からの更新拒絶を厳しく制限し、借主をその分手厚く保護しています。

 

すなわち、借地借家法28条では、貸主からの契約の更新拒絶は、「建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対し財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」と定められています。

 

そして、実際にこの「正当の事由」が認められる場合がかなり制限されており、事実上貸主から契約の更新を拒絶することはとてもハードルが高いのが現状です。

 

ですから、仮に貸主の側から契約を更新しないと一方的に言われたとしても、慌ててそれに応じてしまうようなことはやめた方が良いと思います。

 

2.契約を更新する際に、貸主の同意が得られなかったらどうなるのか?

それでは、貸主が契約期間の満了に際して契約の更新を拒絶する通知を行い、他方で借主は契約の更新を主張していて、双方の合意が成立せず、更新契約書も作成されなかった場合はどうなるのでしょうか?(実際に、このようなケースは結構あります)。

 

この点、借地借家法26条2項では、貸主が更新拒絶の通知をした場合であっても、それ以降も借主が建物の使用を続け、それに対して貸主が特に異議を述べなかった場合には、従前の契約と同一の条件で契約が更新されたものとみなすと規定されています。

 

ですから、貸主としては、更新拒絶を主張し、それに対して借主が契約の更新を主張した場合には、訴訟等を起こして、自身の更新拒絶に正当の事由があることを主張・立証しなければならないということです。

 

逆に言えば、借主の立場からすれば、訴訟等を起こされない限りは、きちんと従前の家賃を支払っている限りは、契約は自動的に更新される(つまり、そのまま建物の使用を継続することができる)ということになります。

 

これを法定更新と言います(当事者の合意はないが、法律が更新とみなすということから、法定更新と言われています)。

 

なお、法定更新の場合は、以降は賃貸借契約は期間の定めのないものとすると規定されています(借地借家法26条1項ただし書き)。

 

ですから、仮に貸主が契約の更新に同意してくれず、更新契約書が作成されなかったとしても、きちんと従前の家賃を支払っていれば、契約は法定更新されますので大丈夫です。

 

3.定期借家という例外

このように、建物の賃貸借契約は更新されるのが原則であり、貸主からの契約更新拒絶は厳しく制限されています。

 

ただし、例外的に定期借家という制度があります。

 

すなわち、借地借家法38条1項では、期間の定めのある建物の賃貸借をする場合において、公正証書による等書面によって契約するときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができるとされています。

 

これを定期借家(正確には定期建物賃貸借)と言います。

 

この場合には、貸主は契約期間が満了すれば、当然に契約の更新を拒絶することができ、上記の普通の建物賃貸借とは異なり、更新拒絶に「正当の事由」が要求されることもありません。

 

ただし、この定期借家の制度を利用する場合には、貸主は借主に対し、契約の更新がなく、期間の満了により建物の賃貸借は終了することについて記載した書面を交付して説明しなければならないとされており、貸主がこの説明を怠った場合には、契約の更新がないこととする旨の定めは無効になる(つまり、普通の賃貸借と同様に貸主からの更新の拒絶が難しくなる)と定められています(借地借家法38条2項、3項)。

 

4.まとめ ~慌てて貸主の言いなりにならずに、専門家に相談を

このように、建物賃貸借の契約期間が定められていても、貸主から契約の更新を拒絶することはかなりハードルが高くなっています。

 

また、仮に上記の定期借家の契約を結んでいたとしても、上記のような貸主の書面交付による説明がきちんとなされていなければ、やはり貸主からの更新拒絶は難しくなります。

 

こうしたことを知らずに、貸主(大家)から更新しないと言われると、無条件に出て行かなければならないのかと、夜も眠れずに悩む方がおられます。

 

上記のように、そう簡単に借主が出て行かなければならないことにはなりませんので、どうかご安心下さい。

 

そして、慌てて貸主の言いなりになるのではなく、わからない場合は弁護士等の専門家に相談するようにして下さい。

 

 

【編集後記】

早く梅雨が明けて欲しいですね。

 

今日は生まれて初めて脳ドッグを受けに行ってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
PREVIOUS / NEXT