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日本の裁判は「紙」だらけ!? ~ようやくIT化に動き出した日本の民事裁判

働くお母さまの為の離婚相談

意外に思われるかも知れませんが、日本の民事裁判は「紙」が中心です。

 

おまけに、いまだにFAXも日常的に使われています。

 

しかし、近年、ようやくわが国でも裁判のIT化が政策として動き出そうとしています。

<目次>

1.「紙」中心から脱却できない日本の民事裁判制度

2.裁判のIT化の内容とそのタイムスケジュール

3.まとめ ~課題はあるものの、時代の進展に合わせたシステムの構築が必要

 

 

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1.「紙」中心から脱却できない日本の民事裁判制度

日本の民事裁判では、多くの書面が提出されます。

 

まず、訴えを起こすために、訴状という書面を記載しなければなりません。

 

訴状には、裁判を起こした人(「原告」と言います)の訴えの内容に関する事実関係とそれを裏付ける法律的な主張が記載されます。

 

また、訴えられた相手方(これを、民事訴訟で「被告」と言います。刑事裁判で使われる「被告人」とは違います)は、訴状に対する反論書面である答弁書を提出します。

 

そして、裁判が始まってからも、適宜原告・被告双方が補充的に自分に有利な事実関係や法律的な主張を記載した準備書面が提出されます。

 

その準備書面は、基本的に紙の形で裁判所に持参するか、郵送するか、あるいはFAXで送信することになっています。

 

また、証拠も、原則として書証といって、紙の形で提出しなければなりません。

 

民事裁判でよくある書証としては、契約書や医者の診断書、領収証や写真撮影報告書などで、これらもコピーして紙の形で提出されることになっています。

 

メールでの提出は原則認められていません。

 

今どきFAXを多様しているのも驚きだと思いますが、こうして作成される書面の量が時に膨大なものになります。

 

紙は空間的な幅も取りますし、何より重いです。

 

東京地方裁判所がある霞ヶ関の周辺では、大きなキャリーバックを引きながら歩いているスーツ姿の弁護士をよく見かけますが、あのキャリーバッグの中には、膨大な量の裁判の書類が入っているのです。

 

2.裁判のIT化の内容とそのタイムスケジュール

ところで、諸外国の状況を見ると、特にアメリカや韓国などでは民事裁判のIT化がかなり進んでおり、日本は裁判のIT化という観点では完全に出遅れた形になっています。

 

そこで、近年では、我が国でも民事裁判のIT化がようやく推進されつつあります。

 

上記の「紙」中心の民事裁判の観点から見ますと、裁判のIT化の計画では、将来的には上記の準備書面や書証はすべてデータの形にして、オンラインで提出できるようになるようです。

 

具体的には、裁判所のクラウドに書面のデータをアップする形で提出するようなことが想定されているようです(誤送信の可能性が高いメールでの提出は認められません)。

 

ただ、こうした制度は、一定規模の予算措置が必要となること、裁判所がクラウドのシステムを作るにあたり、膨大な個人情報を適正に管理するためのセキュリティーシステムを構築しなければならないことなどから、実現化までにはある程度時間がかかると言われています。

 

具体的には、完全に実現化されるのは2025年頃になると言われています。

 

3.まとめ ~課題はあるものの、時代の進展に合わせたシステムの構築が必要

弁護士の業界にも、裁判のIT化に必ずしも賛成の人ばかりではありません。

 

セキュリティーの観点から問題が多いとか、そもそもオンライン化を強要することは裁判を受ける権利(憲法32条)の侵害になるとか、いろいろな意見もあります。

 

ただ、今どき連絡手段としてFAXを多用したり、膨大な紙の書面をプリントアウトして提出したり(それだけでエコではないですよね)、膨大になった重い記録を弁護士や訴訟当事者が持ち歩かなければならないというのは、これからの裁判のあり方として現実的ではないと思います。

 

韓国の弁護士は、日本の弁護士のように膨大な書面を持ち歩くこともなく、みな軽装で歩いているそうです。

 

私など、とてもうらやましいと思ってしまいます。

 

セキュリティーや裁判を受ける権利との調整など、いろいろと課題があり、簡単ではないことは承知しています。

 

ただ、世界的な時代の流れとして、オンライン化、ペーパレス化が進んでいるのですから、やはり時代の進展に合わせて裁判システムも進化させていく努力は欠かせないと思っています。

 

 

【編集後記】

今日は午前中は事務所でデスクワーク、午後は調停のために裁判所に出かけます。

 

半日デスクワーク、半日外出がバランスの良いパターンです。

 

 

 

 

 

 

 

 

  
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