ノミの天井ということわざがあります。
人間も動物も,環境や常識にしばられていて,なかなか本来の力を発揮できないということがあります。
自分の本来の力を出し切るためには,思い込みの限界という天井を外すことが大切です。
<目次>
1.ノミの天井って,どんな話?
2.思い込みの限界を突き抜けた私の経験
3.まとめ 〜 天井を外すためには,外に出よう
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1.ノミの天井って,どんな話?
ノミの天井という話はどういう話かというと,ノミというのはかなり身体能力が高いらしく,30センチ50センチは飛んでいけるそうです。
そのノミを1匹捕まえて,ビーカーの中に入れ,天井にはガラスの板を置きます。
そうすると,ノミがジャンプしたときに,そのガラスの天井にぶつかります。
これを繰り返していると,やがてノミは高く飛ぶことを諦めるようになります。
本来は30センチ50センチという高さを飛べることを忘れてしまい,ビーカーの中だけでしか飛べない,それよりも外には飛距離をのばせないものだと思ってしまうのです。
このノミを,また元どおり30センチ50センチ飛べるようにするためには,どうしたらよいでしょうか?
それは,天井を外してビーカーの外に出し,このノミを,他の普通の30センチ50センチ飛び跳ねているノミの群れに入れることです。
そうすると,それまでビーカーの中にいたノミは,まわりのノミがみな自分よりはるかに高く飛んでいる環境に交わり,刺激を受けることになります。
まわりがやっているなら自分も,ということで,このノミも高く飛ぶことに積極的に挑戦するようになり,結果的にこのノミは元どおり30センチ50センチという本来の高さにまで飛べるようになるということです。
この話は大変に示唆に富むもので,人間もまさに,置かれた環境や思考によって,自分はできないと思い込んだり,いやできるという自信を持てたりします。
どのような場に自分の身を置くか,どのような思考をするかで人間の意識や行動はまったく変わってくるということです。
2.思い込みの限界を突き抜けた私の経験
このノミの天井に匹敵する経験を,私はしています。
それは,司法試験を受験したときのことです。
私の出身大学は,駒澤大学の法学部で,当時まわりに司法試験に合格した人はおろか,司法試験を目指す人すらほとんどいないというような環境でした。
当時の司法試験は,合格率が2%台という超難関試験でしたから,この大学の中の環境だけに身を置いていると,とてもではないですが,自分が司法試験に合格できるとは思えず,それどころか,司法試験を目指すことすら憚られるような気持ちになってしまいます。
そこで,私は,自分が司法試験の受験勉強をするにあたって,大学の中だけに身を置いていては合格できないと思いましたので,司法試験受験予備校に通うことにしました。
司法試験の受験予備校は,当然,司法試験を目指す人たちが通う学校ですので,まわりは司法試験の合格実績の高い大学,すなわち東大や早稲田, 慶應,中央あたりの学生が大半でした。
こうした一流大学の学生たちに混じって,司法試験受験予備校で勉強したわけですが,最初はやはり自信が持てず,まわりの受験生に対して引目というか,気後れを感じていたものです。
しかし,この受験予備校の中で切磋琢磨する機会に恵まれ,真面目に勉強をしていると,徐々にこの予備校の模擬試験などでも良い成績をとることができるようになっていきました。
そうなると,ようやく私にも自信がつき,尚更勉強へのモチベーションが上がり,最終的にはいろいろありましたが,なんとか司法試験に合格することができました。
私があの当時受験予備校に通うことを決意せず,大学の中だけに閉じこもっていれば,おそらく司法試験には合格できなかったのではないかと思います。
3.まとめ 〜 天井を外すためには,外に出よう
このように,人間というものは,自分が置かれた環境やそこから影響される自分の思考などによって,勝手に限界を作ってしまうものです。
しかし,自分が思っている限界というのは,本当の限界かどうかわかりません。
もしかしたら,ノミの天井と同じで,勝手に自分が限界と思い込んでいるだけなのかも知れません。
しかし,それに気づかず,自分の思い込みの限界を信じて,その後の自分の成長の機会が奪われているとすれば,それはもったいない話です。
自分の思い込みの限界という天井を外すためには,いったん自分がいる環境を離れてみる,外に出てみることをお勧めします。
自分で思い込んだ限界というものは,なかなか自分自身の力だけでは外すことはできません。
やはり,どういう場に自分の身を置くかということで,人間の意識や行動はかなり変わってきます。
外に出て,たとえば自分の仕事の業界以外の人と思い切って交流してみると,自分の今までの常識が覆されたり,世界がとても広がったりすることがあります。
こうした経験の積み重ねが,自分の天井を外してより飛躍的に成長していく鍵になるのではないかと思います。
意識的に外に出て刺激を受け,自分の思い込みの限界という天井を外す努力が重要なのではないかと思います。
【編集後記】
昨日は,子どもを連れて登戸にある藤子不二雄ミュージアムに行ってきました。
ドラえもん好きの息子は大喜び。
私も藤子不二雄さんは大ファンですので,子どもだけではなく,大人も十分に楽しめました。