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遺言書の紛失や改ざんのリスクもこれで安心~ 民法改正による遺言書保管制度

働くお母さまの為の離婚相談

2018(平成30)年の民法(相続法)の改正により、手書きの遺言である自筆証書遺言の保管制度が新たに設けられました。

 

これにより、自筆証書遺言の紛失や改ざんなどのリスクにある程度対応できるようになりました。

<目次>

1.自筆証書遺言のリスクについて

2.遺言書保管制度の概要

3.遺言者が亡くなった後はどうなるか?

 

 

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1.自筆証書遺言のリスクについて

ごく大雑把な分類になりますが、遺言書には、作成者(遺言者といいます)が手書きで作成する自筆証書遺言と、公証役場で公証人という専門家に作成してもらう公正証書遺言というものがあります。

 

この手書きの遺言について、今回の民法(相続法)改正で利用しやすくなったということは、以前にブログでも書きました。

「手書きの遺言書を作りやすくなりました ~手書きの遺言に関する相続法の改正」

https://ameblo.jp/bigsaga/entry-12619040018.html?frm=theme

 

この点、利用しやすくなったという点は良いのですが、自筆証書遺言は、あくまでもその作成者(遺言者)自身が作成し、その遺言書の保管も遺言者自身の負担と責任のもとでなされます。

 

そこで、遺言書を作成した後に、その遺言書を紛失してしまったり、相続人によってその遺言書を隠されたり、改ざんされてしまう危険もあります。

 

また、そもそも遺言者が亡くなった後に、相続人が遺言書の存在を知らずに遺産の分割がなされてしまうというリスクもあります。

 

この点、公正証書遺言であれば、遺言書の原本が公証役場で厳重に保管されますので、紛失したり改ざんされる危険はありません。

 

しかし、自筆証書遺言ではこうしたリスクがあることがかねがね指摘されていました。

 

そこで、今回の民法(相続法)改正の流れで、新たに遺言書保管法という法律が制定され、自筆証書遺言の保管制度というものが設けられました。

 

2.遺言書保管制度の概要

この点、遺言者は、自筆証書遺言を保管する機関(遺言書保管所)である法務局の職員である遺言書保管官に対して、自筆証書遺言の保管申請を行うことができ、その場合には、遺言者が自ら法務局に出向いて手続を行う必要があります。

 

保管申請をする場所については、遺言者の住所もしくは本籍地または遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所の遺言書保管官に対して行う必要があります。

 

その際、遺言者は、申請者本人であるかどうかの確認をされることになります。

 

保管申請がなされた遺言書の保管は、遺言書保管官が遺言書保管所の施設内に原本を保管することになります。

 

遺言者は、その申請した遺言書が保管されている遺言書保管所の遺言書保管官に対し、自ら出向いた上で、いつでもその遺言書の閲覧を請求することができます。

 

さらに、遺言者は、遺言書保管所の遺言書保管官に対し、いつでも自分が行った保管の申請を撤回することができます。

 

具体的には、保管の撤回をしようとする遺言者は、自ら出向いた上で、一定の事項を記載した撤回書を遺言書保管官に提出することになります。

 

3.遺言者が亡くなった後はどうなるか?

それでは、遺言者の相続人などは、遺言者の作成した自筆証書遺言の保管の有無やその内容などを問い合わせることはできるのでしょうか?

 

この点、遺言者の生前は、相続人や受遺者はこのような問い合わせを行うことはできません。

 

他方で、遺言者の死後は、誰でも、遺言書保管官に対して、特定の死亡している人について、自己が相続人や受遺者等となっている遺言書が遺言書保管所に保管されているかどうかを問い合わせることができます。

 

そして、遺言書が保管されている場合には、遺言書保管ファイルに記録されている事項を証明した書面(遺言書情報証明書)の交付を請求することができます。

 

さらに、これも遺言者の死亡後になりますが、遺言者の相続人や、遺言書で受遺者と記載されていた人などは、遺言書を保管している法務局の遺言書保管官に対し、その遺言書の閲覧を請求することができます。

 

なお、遺言書保管官は、特定の人からの申請で上記の遺言情報証明書を交付したとき、ないしは遺言書を閲覧させたときは、すみやかに相続人や受遺者などに、遺言を保管している旨を通知しなければならないとされています。

 

これによって、間接的ではありますが、相続人等は、遺言書の存在を知る機会を得ることができます。

 

なお、この自筆証書遺言の保管制度の実効性を高めるためには、遺言者の死亡届が提出された後、遺言書の存在が相続人や受遺者等にすみやかに通知される仕組みが必要であると考えられますが、この点は今回は見送られました。

 

この点については、法案の附帯決議がなされ、こうした仕組みを今後可及的すみやかに構築することとされています。

 

なお、自筆証書遺言については、遺言者の死亡(相続開始)後に、家庭裁判所に対して検認の申立をしなければならないのですが、遺言書保管所に保管されている自筆証書遺言については、遺言書の検認は不要とされています。

 

今回の民法(相続法)改正と相続保管制度の創設により、手書きで気軽に、しかも安価で作成できる自筆証書遺言がより一層利用しやすくなったと言えます。

 

今後、さらに自筆証書遺言の利用が促進されることが期待されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
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