最近はコロナの影響で,マラソン大会の中止が相次いでいますが,それでもランニングは大きなブームとなっているようです。
手軽に運動ができるランニングは,健康維持やダイエット,ストレス解消などで多くの人が参加するようになりました。
しかし,どれだけ勧めても,かたくなに走らないという人も少なくありません。
そして,私の感触では,意外なことに,昔運動部などで過酷な運動をしていた人ほど,ランニングを避けているように思います。
<目次>
1.部活動後遺症の人がランニングを嫌がる理由
2.日本の運動教育は見直されるべき?
3.部活動後遺症から解放されてランニングを楽しむ3つの方法
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1.部活動後遺症の人がランニングを嫌がる理由
別に,ランニングをしたくない人を否定するつもりもなく,無理に誘うつもりもありません。
ただ,私の感覚では,昔運動部で激しい練習をさせられた経験のある人ほど,ランニングを嫌がる傾向にあるように感じます。
なぜならば,そういう人にとっては,走るということは,「キツい」「辛い」という記憶しかなく,またその記憶が極めて強く染み込んでいるからです。
私も1980年代終わりから90年代初めの時期に中学・高校時代を過ごしましたが,当時の部活動は過酷でした。
練習中に水は飲むなとか,何かミスをすれば校庭●周走れとか,1年生だけが上級生からの嫌がらせで余計に走らされたりとか。
走るということは罰則,ペナルティーであり,キツい,苦しいという印象しかありません。
部活動の練習に苦しんでいる最中は,部活動を引退すればもうこんな辛い練習をしなくてすむ,走らなくてよくなると,それだけを楽しみにがんばっていたなんて人もいます。
こういう人にとっては,走るということについてマイナスのイメージしかなく,部活動から解放されて,大人になってまでなんで走らなければいけないのか,そんな気持ちからランニングを嫌がる人が多いようです。
2.日本の運動教育は見直されるべき?
部活動だけではなく,たとえば学校のマラソン大会などもあまり楽しいものではありませんでした。
やたらと競わせて,速く走れたものだけを表彰する,そんな雰囲気でした。
逆に遅いと体育教師から怒られたりして。
つまり,走ることは楽しいこと,気持ちの良いことだということを学校教育の場で学ぶ機会がないのですね。
しかし,こうした日本の運動教育はいかがなものでしょうか?
確かに,過酷な練習に勝ち抜いて,部活動の練習などを通じて成長する場面も少なくないでしょう。
しかし,長い人生という視点で考えた場合,部活動や学校での運動教育が原因で,その後の人生すべて運動嫌いになってしまうのは,とてももったいないと思います。
私自身で言えば,私も同じく走ることにはまったく良いイメージは持っていませんでした。
しかし,10年前にランニングをはじめてみて,間違いなく自分の人生は変わったと思います。
身体を動かすということが,こんなにも楽しく,気持ちの良いもので,日々の生活にハリを持たせてくれるものだったということが,大発見でした。
私は,子どものうちから,こうした身体を動かすことの楽しさをもっと教育した方がよいのではないかと思っています。
キツくしごいて根性を鍛えるといった,昭和な運動教育は,もっと見直されるべきではないでしょうか?
3.部活動後遺症から解放されてランニングを楽しむ3つの方法
部活動後遺症から解放されて,ランニングを楽しむためには,大きく発想を変えてみる必要があると思います。
(1)昔の感覚でがんばりすぎない
運動部出身の人は,とにかく過激にがんばり過ぎる傾向があります。
しかし,部活動で激しくやっていたのはあくまで学生時代,その後長年の間,運動から遠ざかっていたことを自覚しましょう。
昔の感覚でがんばりすぎると,怪我をしてしまう可能性もありますし,大変危険です。
また,昔の感覚で,自分はできるはずだという観念にとらわれていると,現実にそれができない自分に失望し,自己肯定感が低くなってしまい,途中で嫌になってしまいがちです。
ですから,昔の部活動時代の過去の思い出はいったんリセットして,とにかくゆるく始めてみることが重要です。
まず始めにはウォーキングから始めてみるとか,走り始めてからも,走る速度としては,あくまで自分が走っていて気持ちのよいスピードで十分だと思います。
間違っても,苦しくなければ練習じゃないとかいって,最初からスピードを上げてはいけません。
(2)脱完璧主義でやる
毎日練習しなければ強くなれないとか,雨の日も走らなければいけないとか,そういう考えも捨てましょう。
日々体調の良い日もあれば,体調の悪い日もあります。
体調の悪い日や雨の日まで無理して走る必要はありません。
別にアスリートではないのですから。
体調やコンディションの良い日に無理なく走る,これが長続きさせる1つのコツだと思います。
何事も,完璧主義はよくありません。
(3)他人と競争しない
また,マラソン大会での記録や,他人との競争をあまり意識しすぎない方が良いと思います。
部活動経験のある人は,つい競争や自己記録の更新を意識しすぎて,それ自体が目的になってしまうことも少なくありません。
確かに,自己記録の更新や,他人との競争も楽しく,大いに意義があると思いますが,それだけがランニングの魅力ではありません。
競争だけを意識していると,やはりうまくいかなかったときに嫌になってしまいがちです。
競争よりも,少しでも今後の人生長く楽しくランニングを続けていくか,自分の生活や人生の一部にしていくかという意識が大切だと思います。
大人のランニングは,あくまで楽しく続けるというのが基本だと思います。