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マンションの管理費滞納問題の解決法 〜滞納管理費を回収する5つの方法

働くお母さまの為の離婚相談

マンションによっては,管理費が長期間にわたって滞納されているようなケースがあります。

 

今日は,この滞納管理費を回収する方法についてお話します。

<目次>

1.管理費滞納問題の深刻さ

2.滞納管理費を回収する5つの方法

3.まとめ 〜早めに対策をとりましょう

 

 

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1.管理費滞納問題の深刻さ

マンションの区分所有者は,通常毎月一定額の管理費を支払わなければなりません。

 

この管理費は,マンションの管理運営にあてる費用であり,マンションを適正に維持していくために不可欠の費用といえます。

 

ところが,この管理費を長期間にわたって滞納する区分所有者がいます。

 

一般的な管理費用は,月に数千円から3万円程度であり,1回や2回の滞納ではさして高額にはならず,放置されてしまう場合があります。

 

しかし,滞納が長期化すると,滞納額が増大し,数10万円から100万円単位となってしまいます。

 

こうした管理費の滞納は,不動産会社を通じて,そのマンションの購入希望者等にも開示されることになるため,長期間の滞納者がいるマンションは,その資産価値が下がる原因となってしまいます。

 

また,管理費の滞納が常態化すると,日々のマンションの管理運営に要する費用が不足して,マンションの適正な維持管理が不可能となってしまいます。

 

さらに,こうした長期滞納者の存在は,きちんと管理費を納めている区分所有者の,管理組合(理事会)に対する信頼が揺らぐ原因ともなり,マンションの区分所有者同士の関係悪化にもつながってしまいます。

 

そこで,こうした長期の管理費滞納者に対しては,一定の対策をとる必要があります。

 

2.滞納管理費を回収する5つの方法

(1)滞納者を訪問して請求する

この場合,同じマンション内のことでもあり,いきなり法的な手段をとる前に,まず話し合いをすることが必要だと思います。

 

具体的には,理事会のメンバー(理事長など)が滞納者のお宅を訪問し,滞納した管理費の支払いを求めることになります。

 

もっとも, 管理費を長期間滞納する人は,何らかの経済的な困難を抱えていることが多く,払いたくてもすぐには払えないという事情がある場合がほとんどでしょう。

 

その場合には,可能であれば管理組合もある程度柔軟に対応し,たとえば分割で少しずつ滞納した金額を支払ってもらうように交渉するなどの方法があります。

 

ただ,このような長期間の滞納者の場合,実際にはそもそも話し合いにすら応じてもらえないケースも少なくありません。

 

(2)内容証明郵便を使って請求する

内容証明郵便は,郵便局によってその内容を証明してもらえる文書で,ある程度格式ばった文書です。

 

これは,単なる手紙とは異なり,受け取った相手方にある程度心理的なプレッシャーを与えるという効果が期待できます。

 

そこで,次なる手段として,滞納者に対して内容証明郵便にて滞納金額の支払いを請求するという方法があります。

 

こうした内容証明郵便が自宅に届くことで,ある程度誠実に対応しなければマズいと思い,滞納者が話し合いに応じるケースもあります。

 

(3)支払督促による請求

内容証明郵便を出しても支払わないという場合,裁判所の力を借りて法的な手段をとる方法があります。

 

まず,簡易な方法としては,簡易裁判所に支払督促の申し立てを行うという方法があります。

 

これはある程度簡単な手続きで,簡易裁判所が滞納者に対して公的に支払いを命じてくれる手続きです。

 

この支払督促に対して,滞納者が異議を申し立てずに確定すれば,執行力といって,滞納者の財産を差し押さえてお金にかえ,それを滞納管理費にあてることが可能になります。

 

しかし,この支払督促は,命じられた滞納者が異議申し立ての手続きを行えば,確定せずに,次は通常の訴訟(裁判)に移行することになります。

 

(4)訴訟(裁判)を提起して判決をとる方法

次の方法としては,裁判所に対して正式な,滞納管理費の支払い請求訴訟(裁判)を提起するという方法があります。

 

この場合,滞納の事実は明らかですので,比較的簡単に勝訴判決を得ることができると思われます。

 

そして,判決が確定すれば,上記(3)の確定した支払督促と同様に,執行力がありますので,同じく滞納者の財産を差し押さえることが可能になります。

 

ただ,実際問題としては,長期間にわたって管理費を滞納する区分所有者には,当該マンションの区分所有権以外にはめぼしい資産がないことが多く,また,その滞納者の区分所有権も,多くは金融機関の抵当権がついていることが多いでしょう。

 

そうすると,たとえば,その滞納者の区分所有権を差し押さえても,金融機関の抵当権の方が優先しますので,やはり回収できないことになってしまいます。

 

(5)区分所有法59条に基づく競売請求

そこで,マンションの区分所有関係について定めている建物の区分所有に関する法律(通称・区分所有法)の59条に基づく競売請求を行うという方法があります。

 

すなわち,区分所有法6条では,マンションの各区分所有者は,「区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と規定されています。

 

この点,長期間にわたり管理費を滞納する行為は,この「区分所有者の共同の利益に反する行為」に当たると言われています。

 

そして,区分所有法59条では,こうした区分所有者の共同の利益に反する行為により,区分所有者の共同生活上の障害が著しく,他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは,訴え(裁判)をもって,当該区分所有者(つまり滞納者)の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができると規定しています。

 

そして,この区分所有法59条による競売請求のメリットは,競売手続きでその区分所有権を買い取った人に対しても,滞納管理費の支払いを請求することができるという点です。

 

ですから,たとえば滞納者の区分所有権に金融機関の抵当権がつけられていて,区分所有権の競売代金からは滞納管理費を回収できなかったとしても,その区分所有権を競売手続きで買い取った新たな所有者に対して,滞納管理費の支払いを請求できることになるのです。

 

ただ,この区分所有法59条の競売手続きは,非常に効果の大きな手続きですので,その点要件も厳しく,この方法を使うためには,管理組合の総会の特別決議(区分所有者及び議決権の4分の3以上)によって決定することが必要であるとされています(区分所有法59条2項,58条2項)。

 

3.まとめ 〜早めに対策をとりましょう

このように,マンション管理費の滞納者に対する対策(管理費の回収)について,いくつかの方法があります。

 

ただ,実際問題としては,裁判や競売といった手続きに進むにつれて,お金や労力もかかりますし,大ごとになっていきます。

 

ですから,やはり早い段階で手を打っておくことが一番です。

 

具体的には,滞納が長期間に及ぶまで放置しないということです。

 

たとえ少額の滞納であっても,それを放置せず,理事会などがしっかりと把握して,必要であれば早い段階で滞納者とコンタクトをとって話をすべきでしょう。

 

早い段階で請求されれば,その滞納者としても,同じマンション内のことでありますし,何とか遅れずに支払おうとするものです。

 

逆に,少しくらい滞納しても請求されないとなると,ついそれが長期間に及んでしまうことにもつながってしまいます。

 

滞納管理費の回収に限りませんが,債権回収は何より早めにきちんと対策をとるということが一番効果的なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

  
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