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コンサルタントは、クライアントの業績を上げる法的な義務があるか!?

働くお母さまの為の離婚相談

コンサルタントと契約したものの、さっぱり業績が上がらなかった場合、支払ったお金を返してもらえるのでしょうか?

 

コンサルタント契約というものの法律的な性質について考えてみました。

<目次>

1.コンサルタントに依頼したのに業績が上がらないというクレーム

2.コンサルティング契約の法的性質

3.コンサルティング契約は、当事者の信頼関係が重要?

 

 

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1.コンサルタントに依頼したのに業績が上がらないというクレーム

会社の業績を上げたいと考えて、経営コンサルタントとコンサルティング契約を締結したとします。

 

契約で定められた料金をコンサルタントに支払い、実際にコンサルティングが始まりました。

 

ところが、そのコンサルタントのアドバイスを忠実に実行しているにもかかわらず、半年経っても1年経っても業績は上がらなかったとします。

 

その場合、コンサルタントに依頼した会社(クライアント)は、コンサルティング契約の債務不履行(契約違反)だとして、コンサルティング契約を解除し、支払った料金を返せと請求することができるでしょうか?

 

実際、そう簡単に会社の業績アップを実現できない現代の社会では、コンサルタントに対するこのようなクレームは(潜在的なものも含めて)それなりにありそうです。

 

コロナの影響で会社の業績が落ち込みがちな昨今では、なおさら切実な問題かも知れません。

 

しかし、結論から言いますと、コンサルティング契約の性質上、仮にクライアントの業績が上がらなかったとしても、コンサルタントの債務不履行となる場合は少なく、料金を返してもらえるケースは少ないと思われます。

 

2.コンサルティング契約の法的性質

ところで、例えば建設会社が建物を建てる工事を受注した場合、期限までに約束した建物を建築できなかった場合には、基本的に債務不履行となります。

 

この場合には、建設会社が受注した契約は、請負契約といって、一定の仕事を完成させる(上記の場合では、期限までに約束した建物を建てる)ことが契約の重要な要素となっているからです(民法632条)。

 

ところが、コンサルティング契約の場合は、コンサルタントはあくまでクライアントの業績を上げるためにアドバイス等を行う義務はありますが、実際に業績を上げるという結果を約束するという性質のものではありません。

 

というのも、建物の建築であれば、専門技術のある建設会社であれば、通常は約束した期限までに建物を完成させるのは当たり前にできることであり、当事者もそれを期待しているということができるからです。

 

ところが、クライアントの業績を上げるということは、それほど単純ではありません。

 

会社の業績というものは、コンサルタントのアドバイスが良ければ、そしてクライアントがそのアドバイスを忠実に実行したからと行って、必ず上がるとは限りません。

 

なんといっても景気変動という極めて不確実な要素による影響を受けますし、昨今のコロナのような自然災害が突発的に発生することによって、業績が悪化するという可能性も常にあるからです。

 

ですから、このようなコンサルティング契約の法的性質は、建設会社の請負契約とは異なるものであり、通常は委任(準委任)契約といわれるものになります。

 

委任(準委任)契約の本質は、請負契約とは異なり、仕事の完成(結果)が要素となっているものではなく、委任を受ける者(受任者・この場合はコンサルタント)に高度の裁量権が与えられていることが本質となっています。

 

ですから、コンサルティング契約を締結したものの、会社の業績アップという結果が出なかったからといって、それだけでコンサルタントが債務不履行(契約違反)ということにはなりません。

 

ただし、委任契約上、受任者(コンサルタント)は、「委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」とされています(民法644条・善管注意義務)。

 

ですから、コンサルタントがひどい手抜きをしたとか、一般的な経営コンサルタントの水準にも達しないような仕事の仕方をしていた場合には、この善管注意義務違反となり、債務不履行となる可能性はあります。

 

3.コンサルティング契約は、当事者の信頼関係が重要?

このように、コンサルタントは契約上、一定の裁量権があり、また結果を出すことそのものに対する義務を負っているわけではありません。

 

コンサルティング契約は、民法上の委任(準委任)契約という性質を持っていますが、この委任契約がこのように受任者に裁量権を与えている趣旨は、委任契約は当事者間に強い信頼関係があることが前提になっているからです。

 

これはちょっと考えればわかることで、コンサルタントに依頼するということは、自社の経営上の問題をいわば委ねるわけですから、信頼のできない人に依頼するということはおよそ考えられません。

 

そして、当事者間の信頼関係さえしっかりしていれば、結果的に残念ながら業績が思うように上がらなかったとしても、クライアントとしてはコンサルタントの債務不履行だとは通常は考えないでしょう。

 

逆に言えば、コンサルタントとしては、もちろんコンサルティングの技術が重要であることは言うまでもありませんが、それ以外にも日頃からクライアントとの間で信頼関係がより強固になるように(少なくとも信頼関係を壊さないように)努力していく必要があり、法律上もそのようなことが期待される性質の契約だということになります。

 

ちなみに、弁護士と依頼者の関係もこれと同じく、法律上は委任契約とされています。

 

ですから、私としてもこのような話は身につまされるもので、常に依頼者の方との信頼関係に配慮しなければならないと感じています。

 

 

 

【編集後記】

今日は、午前中は事務所でルーティンタスクを、午後はオンライン会議、夕方からは新件のご相談が2件あります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
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