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中小企業の4つの経営資源とそれぞれのコンプライアンスリスクについて

働くお母さまの為の離婚相談

中小企業の経営資源は,主にヒト,モノ,お金,情報の4つに集約されると言われています。

 

そして,その4つそれぞれにコンプライアンスリスクが存在しています。

<目次>

1.中小企業のコンプライアンスとは?

2.中小企業の4つの経営資源にまつわるコンプライアンスリスク

3.まとめ 〜コンプライアンスは中小企業の経営に極めて重要

 

 

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1.中小企業のコンプライアンスとは?

近年,企業のコンプライアンスというものが意識されています。

 

これは,度重なる大企業の不祥事などがマスコミで報道されるなどして,近年強く意識されてきている問題です。

 

コンプライアンスというと,法令遵守,法律を守った経営というイメージがあります。

 

法律を守って経営するというのはある意味当然なのですが,コンプライアンスとは,法律を守ることだけに限られません。

 

コンプライアンスの概念は,法令遵守にとどまらず,法令を超えた社会規範や社会道徳,ステークホルダーの利益や要請にかなうことまでも求められています。

 

そして,このコンプライアンスが社会一般に認識されるにつれて,近年では,会社経営をするにあたって,コンプライアンスリスクというものを重視することが求められています。

 

コンプライアンスリスクの対策を施す必要性は,大企業だけではなく中小企業にも求められます。

 

なぜなら,コンプライアンスに従った経営をすることは,何も大企業にだけ求められているものではなく,中小企業にも基本的には同じ水準で求められるからです。

 

さらに,以下で見るように,ヒト,モノ,お金,情報という企業にとって極めて重要な経営資源について,それぞれ非常に大きなコンプライアンスリスクが存在しており,これらのリスクへの対策をきちんと行うことは,会社経営の根本に影響する問題だからです。

 

ところが,特に中小企業経営者の場合,このコンプライアンスリスクへの意識や対策が必ずしも十分ではないというケースが少なくありません。

 

2.中小企業の4つの経営資源にまつわるコンプライアンスリスク

(1)「ヒト」にまつわるコンプライアンスリスク

「ヒト」,つまり会社の人材は,会社経営の根幹をなすものであり,極めて重要な経営資源です。

 

そして,この「ヒト」にまつわるコンプライアンスリスクは,いわゆる従業員の労務管理の問題に現れます。

 

中小企業の中には,就業規則や雇用契約書がなく,新規で従業員を採用する際にも,雇用条件通知書なども作成しないというところは少なくありません。

 

また,かろうじて就業規則を慌てて作成しても,世間で流通しているフォーマットをそのまま適用していて,実はその会社の労務の実情にまったく合っていないということもよくあります。

 

会社の従業員との間で労務管理上の問題が発生すると,特に中小企業にとっては極めてダメージが大きくなります。

 

1人の従業員の問題が社内全体にすぐに波及してしまったり,裁判にでもなれば,社内外で信用問題に発展するおそれもあります。

 

また,従業員から裁判を起こされるなどした場合(解雇無効や未払い残業代請求などが多い),裁判には時間と費用がかかる上,裁判の結果も必ずしも読みにくく,会社にとって厳しい結果となる可能性も否定できません。

 

さらに,従業員とのトラブルは,場合によっては労働基準法違反ということで,民事だけではなく刑事罰や行政罰の対象となることもありますので,その点からのリスクも十分に考慮しなければなりません。

 

ですから,できる限り従業員との間でトラブルを起こさない,万が一トラブルが起こっても火種が小さいうちに解決することが重要になります。

 

きちんとした労務管理を行い,トラブルを予防する体制の整備が欠かせません。

 

(2)「モノ」にまつわるコンプライアンスリスク

「モノ」にまつわるコンプライアンスリスクとは,取引先との契約管理の問題です。

 

企業の利益は,多くは取引先との取引,つまり契約によって生まれることになります。

 

この契約関係がしっかりしていないと,後々取引先との間でトラブルになり,そうしたトラブルは会社の生産性を下げる大きな要因となります。

 

ところが,中小企業の中には,取引先との契約書を作成せず,発注書や請求書で代用していたり,そもそもそうした発注書や請求書すら作成しないで多額の金額の取引を行ってしまっている場合があります。

 

法律的に言えば,契約は契約書を作成しなくても,口頭でも成立します(ただし,今般の民法改正で保証契約等は契約書の作成が要求されています)。

 

しかし,口頭での契約では後々トラブルが生じたときに証拠が残りません。

 

取引の代金の金額や商品の納付時期など取引の重要な要素について,お互いに言い分が食い違った場合,自分の主張を証明するための証拠が何もないという極めてリスキーな状況になります。

 

また,かろうじて契約書が作成されていても,契約書の形式的なミス(誤記,脱字等)があってそれが致命傷になってしまったり,契約の内容自体が強行規定に反していて無効になってしまうようなリスクもあります。

 

ですから,最低限取引内容のエビデンスを残すための書面(契約書)を作成すること,そして,契約書の内容が自社の取引リスクを最小限に抑える適正な内容になっているかどうかの管理というものが必要になります。

 

(3)「お金」にまつわるコンプライアンス

「お金」にまつわるコンプライアンスリスクとは,債権管理の問題です。

 

取引先に対して売掛金を持っていれば,会計上は「資産」を有していることにはなります。

 

しかし,売掛金はいわゆる債権であって,確実に回収しなければ「お金」にはなりません。

 

いくら債権という「資産」を有していても,回収が焦げ付いてしまっては,それは何らの資産価値のない債権になってしまいます。

 

ですから,取引先に対する債権回収が困難になるというコンプライアンスリスクを避けるための体制が必要となります。

 

これについては,以前のブログで書きました。

「債権回収は,すぐに着手が効果的 〜その3つの理由」

https://ameblo.jp/bigsaga/entry-12629943527.html

 

債権回収を効果的に行うためには,取引先からの支払いが滞った場合に,すぐに対応することが重要になります。

 

そして,すぐに対応できるようにするためには,日頃から取引先からの支払いがきちんと期限までに行われているかどうかをマメにチェックする体制が必要となります。

 

また,万が一期限までの支払いがなかった場合,法的な対応に迅速に着手できるような体制も必要となります(多くの場合は,法務部や顧問弁護士に依頼することになるでしょう)。

 

(4)「情報」にまつわるコンプライアンスリスク

通常,企業は多くの「情報」を持っており,これらの「情報」を適切に管理することが,会社の売上を上げるためには欠かせません。

 

その「情報」の具体例ですが,たとえば顧客名簿や取引先のリスト,自社の財務状況に関する情報や,自社商品の企業秘密のようなものも含まれます。

 

こうした「情報」を適切に管理しなかったために,「情報」が外部に漏洩したらどうなるでしょうか?

 

少し前に,大手の企業で約3500万件の顧客情報が流出したという事件がありました。

 

この会社では,損害賠償等の個人情報漏えい対応費用として,約260億円の費用がかかったそうです。

 

また,自社商品に関する企業秘密を漏洩されれば,ライバル企業にその情報をキャッチされてしまい,結果的に自社の売上に致命的なダメージを受けることもあります。

 

今は,SNS等を通じて簡単に情報を外部に漏洩させてしまうことができますので,なおさらこの「情報」の管理は重要になります。

 

こうした「情報」にまつわるコンプライアンスの対策としては,まず「情報」を取り扱う社内の体制の整備や,データ管理の体制などを整える必要があるでしょう。

 

また,「情報」を取り扱う従業員への教育も重要だと思います。

 

さらに,外部からの「情報」への不正アクセス等を防止するために,情報システムの技術的安全管理の措置を整えることも必要です。

 

3.まとめ 〜コンプライアンスは中小企業の経営に極めて重要

このように,中小企業にとって,コンプライアンスリスクにきちんと対応できる体制を整備することは,経営上極めて重要な問題です。

 

ところが,このコンプライアンスリスクへの体制の整備は,直接会社の利益につながりにくい面があります。

 

そこで,多くの中小企業では,こうしたコンプライアンスリスクへの体制の整備を行う余裕がないという声もよく聞かれます。

 

たとえば,中小企業で社内に法務部という部署を設けているところは多くありません。

 

法務担当の社員を雇えば当然にそれだけ人件費がかかるからです。

 

このような場合には,顧問弁護士をつけるというのも1つの選択肢だと思います。

 

顧問弁護士の月額顧問料の相場は,会社の規模やサービス内容によっても違いますが,概ね月額5万円程度のところが多いようです(私のところでも,スタンダードな月額顧問料のプランは5万円です)。

 

中小企業では,顧問弁護士をつけているところはそれほど多くありません。

 

一見すると,弁護士に毎月5万円の顧問料を支払うのはもったいないと思うかも知れません。

 

しかし,中小企業のコンプライアンスリスクに精通している弁護士を選べば,上記のコンプライアンスリスクに対応した社内の体制の整備を依頼することができます。

 

法務部を作って社員を雇えば,月額の給料で少なくとも数10万円,年間数100万円のコストがかかります。

 

しかし,顧問弁護士を活用すれば,それが月額5万円ですんでしまうのですから,考えようによっては安上がりということもできます(ただし,弁護士によってはオプション料金の設定などもありますので,注意が必要です。それでも人を雇うよりははるかに安上がりですが)。

 

コンプライアンスリスクは,放置すると場合によっては中小企業の屋台骨を揺るがしかねない事態に発展することもあります。

 

一度,きちんとコンプライアンスリスクを意識して,社内の体制を見直すことが必要だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
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