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印紙を貼っていない契約書は有効か? ~電子契約は印紙代の節約になるか?

働くお母さまの為の離婚相談

契約書には、一定の場合に収入印紙というものを貼る必要があります。

 

この収入印紙を貼っていない契約書というものは、そもそも契約書として有効なのでしょうか?

 

また、印紙を貼る必要がある契約書に、印紙を貼らなかった場合、何か不利益はあるのでしょうか?

<目次>

1.印紙を貼らなくても契約は有効?

2.必要な印紙を貼らなかったらどのような不利益があるか?

3.電子契約は印紙代の節約になるか?

 

 

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1.印紙を貼らなくても契約は有効?

印紙税法という法律があり、一定の契約書には収入印紙を貼る必要があります。

 

どのような契約書に印紙を貼る必要があるかは、下記の国税庁のホームページに詳細に書かれています。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/inshi301.htm

 

問題は、必要な収入印紙を契約書に貼らないで取引をしたという場合、そもそもこの契約書は法律的に有効なのでしょうか?

 

この点、契約の成立要件は、改正民法の522条で明確に規定されています。

 

すなわち、契約は、申込みの意思表示と承諾の意思表示が合致したときに成立します(同条1項)。

 

たとえば、不動産の買主が、自分が購入したい不動産を見つけ、その不動産の所有者に対してその不動産をいくらで売って欲しいという申込みの意思表示を行い、それに対して、その不動産の所有者(売主)がそれを承諾する意思表示をした段階で、不動産の売買契約が成立するということになります。

 

さらに、契約は、基本的に書面の作成その他の方式を具備することを要しないとされています(同上2項)。

 

ですから、原則として契約は、当事者間の意思表示の合致があればよく、契約書の作成は法的な契約の有効要件ではありません。

 

口約束でも契約は成立するということです。

 

しかし、実際には、契約を締結したということを当事者双方が証明する手段を残すために、不動産のような高額の取引をする場合には、契約書を作成するのが通常です。

 

ただ、その場合でも、特に印紙を貼ることは契約の有効要件とはされていません。

 

ですから、収入印紙を貼らなければならない契約書に、印紙を貼っていなかったとしても、それだけで契約そのものが無効になってしまうということはありません。

 

つまり、収入印紙を貼るかどうかは、契約の内容の有効性には関係がないということになります。

 

ですから、たとえ印紙が貼っていない契約であっても、契約書を作成すれば、当事者はその内容を守らなければならない義務が発生するということになります。

 

2.必要な印紙を貼らなかったらどのような不利益があるか?

必要な印紙を貼っていない契約書でも、有効性には問題ないとしても、実際上印紙を貼らなかった場合には、何か不利益はあるのでしょうか?

 

この点、契約書に貼る印紙代というものは、取引の頻度や金額の大きさによっては結構なコストの負担となります。

 

たとえば、不動産の売買契約では、代金額が1000万円を超え5000万円以下の場合の印紙代は2万円、5000万円を超え1億円以下の場合は6万円、1億円を超え5億円以下の場合は10万円となります。

 

また、建物建設などの請負契約の場合も、工事代金額に応じて同様の印紙代が定められています。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7101.htm

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7102.htm

 

そうなると、取引の頻度が多い場合は、印紙代だけで数十万円、数百万円の負担となってしまいますので、できれば契約書に印紙を貼りたくないという気持ちもよくわかります。

 

しかし、印紙税法で定められた印紙を貼らなかったらどうなるでしょうか?

 

この点、契約書に必要な印紙を貼らなかった場合には、その納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額、すなわち当初に納付すべき印紙税の額の3倍に相当する過怠税が徴収されることになります(印紙税法20条)。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7131.htm

 

こうした事情があるため、たとえば不動産取引などでは、本来売主と買主で同じ契約書を2通作るのが通例ですが、印紙代を節約するために、契約書は1通だけ作成して印紙を貼り、もう1通をコピーして代用することなどが行われています。

 

また、工事請負契約などでも、同じ取引先との間で頻繁に取引をする場合には、基本契約書のみを作成し、個別の取引は発注書や見積書、領収証などの書類で代用するなどのことが行われています。

 

3.電子契約は印紙代の節約になるか?

この点、特にコロナ禍になってから、わが国でもクラウドサインなどの電子契約書が徐々に普及し始めているようです。

 

この電子契約書については、印紙税は課されないことになっています。

 

というのは、印紙税法において印紙税が課税されるためには、課税文書、つまり紙の書面に必要事項を記載してそれを交付することが要件となっているためです。

 

電子契約の締結は、基本的に紙ではなくデータの送信で成立しますので、印紙税法上の課税文書の作成に該当せず、結果的に印紙税が課税されないということになるのです。

 

こうしたことから、電子契約の締結は、印紙代の節約にもなるため、今後も普及が進むかも知れません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
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