弁護士の仕事は、仕事を依頼された初動が大切です。
どれだけ素早く動くことができるかがカギになります。
<目次>
1.弁護士に仕事を頼む依頼者の心境
2.初動でどう素早く動くか
3.初動で素早く動き、依頼者と信頼関係を作る
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1.弁護士に仕事を頼む依頼者の心境
弁護士の仕事は、突然に、緊急でということが結構あります。
今日すぐに相談したい、今日明日中に動いてもらいたいなど、こちらからすると結構無茶だなと思うリクエストが発生することがあります。
しかし、仕事を頼む依頼者の心境になってみるとどうでしょうか?
だいたい、法律的なトラブルというものは予期せずにやってくることが多いものです。
会社の取引先とトラブルになり、裁判所から訴状が届いたときの社長の心境はどうでしょうか?
その他にも、相続問題で兄弟でもめているとか、夫との離婚で悩んでいるとか、不動産の大家から無茶な家賃の値上げを要求されているとか、いろいろとあります。
こうした法的なお悩みごとを抱えている人からすれば、一刻も早く誰かに相談したい、何か対応が必要であれば少しでも早くやってもらいたいと思うものではないでしょうか?
言葉は悪いですが、皆お尻に火がついていて、それを何とかしたいと焦っておられる方が、私たち弁護士の依頼者なのです。
2.初動でどう素早く動くか
こうした依頼者の心境はよく理解できます。
たとえば、緊急で相談したいと言われてお聞きしてみると、実はそれほど緊急でもないかなということはよくあります。
しかし、依頼者からしてみれば、今すぐに何とかしたい、解決までの見通しくらい早く知りたいと思うものです。
ですから、私の場合、すぐに相談したいというご依頼があった場合には、スケジュールの過密具合にもよりますが、できるだけ早く、できればその日か翌日くらいにご相談の日程を入れるようにしています。
また、たとえば知り合いが警察に逮捕されたというようなご相談を受けた場合には、やはりその日か翌日くらいには警察署に面会に行くようにしています。
その他でも、事件を受任したら、できるだけ早く相手方に受任通知を出すなどして、とにかく初動は早くするように心がけています。
依頼者からしてみると、早く相談に乗ってもらえた、早く動いてもらえたというだけで、かなりの安心材料となるのです。
3.初動で素早く動き、依頼者と信頼関係を作る
ただ、そのような格好の良いことを言っていても、私も初動で素早く対応することがかなりキツいこともあります。
場合によっては夜間や土日に対応しなければならないようなことも発生します。
ただ、この初動で素早く動くことができると、依頼者から非常に大きな信頼や感謝をいただくことにつながります。
事件が終わってからも、何度も、あのときすぐに相談に対応していただいて、とか依頼者から感謝のお言葉をいただくことも少なくありません。
それほど依頼者にとっては、弁護士の初動の対応というものはインパクトが強いのです。
弁護士の仕事というものは、やはり依頼者の方との強い信頼関係が必要となります。
一般に、新規の方と信頼関係を築くのはそう簡単ではなく、時間や手間暇もかかるでしょう。
しかし、弁護士が初動の対応を素早く行うと、非常に短期間で依頼者との間で信頼関係を築くことができます。
つまり、その場はキツいこともありますが、やはり初動の対応を素早くした方が、依頼者との信頼関係を作る上で非常にコストパフォーマンスが良いのです。