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間違いだらけの契約書の常識 ~②ハンコは必要か?実印でなければならないのか?

働くお母さまの為の離婚相談

中小企業の取引においても、各種様々な契約書が作成されます。

 

しかし、意外とこの「契約書」について、法律的に正しくない、間違った常識がまかり通ってしまっています。

 

よくありがちな、契約書についての間違いについて見ていきたいと思います。

<目次>

1.そもそも、契約書にハンコは必要なのか?

2.ハンコは実印でなければならないのか?

3.まとめ ~重要なことは、契約の存在や内容の証拠として価値があるかどうか

 

 

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1.そもそも、契約書にハンコは必要なのか?

契約書といえば、契約の双方当事者が署名(ないしは記名)し、捺印、つまりハンコ(印鑑)を押すのが普通です。

 

そもそも、契約書にハンコを押すことは法律上要求されているのでしょうか?

 

そして、ハンコを押していない、たとえば当事者の署名しかない契約書は、そもそも有効な契約書として法律的な効力(合意の拘束力)が生じるのでしょうか?

 

この点について、前回も述べたとおり、そもそも、原則として契約書という書面を作成すること自体、法律によって要求されているわけではありません。

 

したがって、基本的には、契約書というものは、いつ、誰が、誰に対して、どのような内容の契約を締結したのかを明確にするとともに、後々紛争になる場合に備えて(あるいは無用な紛争を防止するために)証拠を残すために作成するというのが主な目的です。

 

ですから、ハンコをついているかどうかというのは、契約書の効力には関係なく、それほど本質的な問題ではないということになります。

 

ただし、わが国ではまだ重要な文書にはハンコを押すという習慣が根強く残っていますので、ハンコがついている契約書と、署名のみでハンコがついていない契約書を比較した場合、証拠としての価値や信用性の高さ(証明力といいます)という意味では、ハンコを押してある契約書の方が証明力が高いということは、一般的には言えると思います。

 

この点で、最近流行になっている、クラウドサインなどの電子契約書についても同様の問題があります。

 

当然、こうした電子契約書もハンコはありませんが、契約書としては有効なものです。

 

ただ、契約書の証明力という点で見ると、ハンコを押してある契約書と比較すると微妙なところかも知れません。

 

今はまだハンコ文化が根強いですが、将来的に電子契約書が一般的になれば、あまり信用力という点でも問題はなくなるものと考えられます。

 

ちなみに、欧米ではもちろんハンコ文化はなく、サインが契約書の証明力を高める重要な要素となっているようです。

 

2.ハンコは実印でなければならないのか?

また、契約書にハンコを押す場合、そのハンコ(印鑑)は、いわゆる実印でなければならないのかという点も、よく聞かれることがあります。

 

実印とは、市区町村などの役所に登録した、公的に認められたハンコのことを意味します。

 

役所にハンコ(印鑑)を登録することを印鑑登録といい、この印鑑登録されたハンコを実印と呼んでいます。

 

他方で、こうした印鑑登録がされていない印鑑、いわゆる三文判のことを「認印(みとめいん)」と言ったりします。

 

この点、契約書に押印されたハンコが、実印であるか認印であるかによって、契約の有効性に影響することはありません。

 

ですから、契約書に押すハンコとして実印でなければならないなどということはありません。

 

ただ、実印の場合は、印鑑登録をしたハンコについて、役所から印鑑証明書を取得することができます。

 

この印鑑証明書をつけることで、この契約書について「確かに本人が実印を使って押した書類」であるということがわかります。

 

ですから、単なる認印のみの契約書よりは、この実印+印鑑証明書添付の契約書の方が、やはり証拠としての証明力は上がるということになります。

 

ちなみに、この実印+印鑑証明書のセットは、本人確認をする上で有力な証拠となるものです。

 

認印というものは、誰でも(つまり本人でなくても)簡単に手に入れることができますが、実印と印鑑証明書のセットについては、他人がそれほど簡単に手に入れることができるわけではありませんので、それらを持っているということは、本人である可能性が高いということが言えるわけです。

 

本人確認が重要な意味を持っている不動産の売買や登記の手続などには、必ずこの実印と印鑑証明書のセットが要求されることになります。

 

3.まとめ ~重要なことは、契約の存在や内容の証拠として価値があるかどうか

以上、契約書とハンコの関係をまとめると、次の図のようになるかと思います。

 

 

ポイントは、その契約書にハンコがあるかどうかということよりも、その契約書が契約の存在や内容を証明するための証拠としてどの程度価値があるかということになってきます。

 

そして、契約書の証明力という点は、法律で何か具体的に決まっているというものではなく、その国の文化や時代背景なども影響してくる問題だと思われます。

 

 

【編集後記】

東京霞ヶ関にある弁護士会館の地下1階は飲食店が何軒か営業しています。

 

その中で、老舗の中華料理店である「鳳鳴春」がなんと今日で閉店とのこと。

 

というわけで、私はここのニラ担々麺が好きでしたので、食べ収めということでお昼に食べてきました。

 

もうこれが食べられないと思うと寂しいですね。

 

  
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