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中小企業で社長の暴走を止めるための3つの方法

働くお母さまの為の離婚相談

中小企業では,よく会社の私物化が起こりがちです。

 

特に,中小企業の経営者の場合,会社は自分の所有物であるという意識が強く,それは時として問題が起こりがちです。

 

すなわち,会社が誤った方向に向かっている場合に,その修正がとても困難になります。

<目次>

1.中小企業の経営をコントロールする必要性

2.社長の暴走を止める3つの方法

3.社長の暴走を防ぎ,適正な経営を行うには?

 

 

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1.中小企業の経営をコントロールする必要性

中小企業というものは、良くも悪くもトップに立つ社長に左右されるところが非常に大きいものです。

 

社長としても、特に自分が創業し、オーナーである会社に対しては思い入れも並々ならぬものがあります。

 

こと会社のことに関しては、誰からも意見をされたくないという思いも強かったりします。

 

そして、こうした会社では、社長の強烈なリーダーシップのもとで運営されており、他の社員が社長の判断に意見を言うことが困難な場合も少なくありません。

 

しかし、どれだけ有能な社長であったとしても、人間である以上、判断を間違えるという可能性はあります。

 

また、昔は通用した社長のやり方が、時代の進展によって合わなくなってきているということもあるかも知れません。

 

さらに、冒頭でも述べたとおり、こういう会社の社長は、会社は自分の所有物であるという思いの強い人もおり、そのような場合には、会社の財産と個人の財産を混同したり、公私混同が起こりがちになります。

 

あくまで会社というものは社長個人とは別の法人であり、社長だけの所有物ではありません。

 

従業員の生活もありますし、取引先や一般消費者にも影響が及ぶという意味では、会社は公器なのです。

 

しかし、誰も社長の判断に意見を言えず、社長の暴走を止めることができないということになると、結果的に会社の財産を危うくしてしまったり、その結果会社が倒産して従業員が路頭に迷ったり、多くの取引先に迷惑をかけることにもなりかねません。

 

そこで、中小企業の適正な経営のためには、社長の暴走に歯止めをかけるシステムが必要となります。

 

2.社長の暴走を止める3つの方法

この点、法律上、こうした会社で社長の暴走をとめる方法として、以下のようなものがあります。

 

(1)取締役会や株主総会で解任する方法

そもそも社長(代表取締役)は、取締役の中から選任されます。

 

具体的には、取締役会を設置している会社(取締役会設置会社といいます)にいては取締役会で(会社法362条3項)、取締役会を設置していない会社(取締役会非設置会社といいます)においては、会社の定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって選任されます(会社法349条3項)。

 

したがって、代表取締役は、その選任者によって、すなわち、株主総会、取締役、又は取締役会の決議によって解任することができます。

 

しかし、たとえば、取締役会で代表取締役を解任したとしても、それは会社の代表権を解くもので、解任決議の後も取締役としては会社に残ることになります。

 

この点、取締役は株主総会によって選任されますので、この場合には、取締役会によって代表取締役を解任し、さらに臨時株主総会を招集してその元社長を取締役からも解任してしまえば、この元社長を会社から追放することができることになります。

 

株主総会の招集権があるのは通常代表取締役ですが、社長が自分を解任する株主総会を招集することは通常考えられません。

 

このような場合には、一定の場合に取締役や少数株主にも株主総会の招集権限が与えられています。

 

しかし、オーナー社長である場合には、この元社長自身が会社の過半数以上を有する株主である場合には、この元社長が臨時株主総会を開き、逆に反対派の取締役を解任し、自分を取締役に選任した上で、新たに取締役会で自分が社長(代表取締役)に復活してしまうということが可能になってしまいます。

 

(2)取締役の職務執行の停止・職務代行者選任の仮処分

たとえば、社長(代表取締役)による違法行為が差し迫っており、それによって会社に大きな損害を及ぼすようなときは、代表取締役の職務執行の停止の仮処分を裁判所に求めることができます。

 

ただし、この手続を利用するためには、裁判所に申立を行う側が、たとえば代表取締役が法令又は定款に違反する行為を行おうとしており、それが切迫していることや、この代表取締役の行為によって会社に回復しがたい損害が発生することなどを証拠資料によって明らかにする必要があります。

 

なお、この代表取締役の職務執行停止の仮処分が認められると、この代表取締役は、判決による最終結論が出るまで、あるいは仮処分が取り消されるまで、会社の職務執行ができなくなります。

 

この場合、それにより会社の業務に支障が生じるときは、あわせて職務代行者選任の仮処分を裁判所に求めることができます。

 

この手続により、要件を満たせば、迅速に現在の代表取締役を一時的に会社の業務執行から排除することは可能になります。

 

しかし、これはあくまで仮の処分であって最終的なものではありません。

 

(3)取締役解任の訴え

その代表取締役に、職務の執行に関して不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該代表取締役を解任する旨の議案が株主総会で否決されたときは、一定の要件を満たす株主は、その株主総会の日から30日以内に、裁判所に対して当該取締役の解任を求める訴えを提起することができます(会社法854条)。

 

ただし、仮にこの裁判で、対象となる取締役の解任が命じられたとしても、もし解任された社長がオーナー株主であるような場合には、再度株主総会で自身を取締役に再任することを防ぐことはできません。

 

やはり株式会社というものは、法的には株主が所有者であり、株主総会の決議が多数決によってなされますので、オーナー社長を法的に排除することは難しい面があります。

 

ただ、こうした解任の裁判等の方法をとることで、この社長の問題行動が会社の外から見えるようになってくると、取引先やメーンバンクなどがこうした騒ぎを嗅ぎつけることになります。

 

そうなると、こうした取引先や金融機関から社長に対する圧力が増し、それが社長の暴走を止めるきっかけにはなり得るものと思われます。

 

3.社長の暴走を防ぎ,適正な経営を行うには?

このように、社長の暴走を止める法的な方法はいくつかあるにはあります。

 

ただ、実際問題として、中小企業の経営がお家騒動になってしまうと、会社の業務の効率を著しく阻害することになります。

 

場合によっては、会社の内紛がきっかけで会社が倒産したり、分裂するということにもなりかねません。

 

それを防ぐためには、やはり経営者、社長の意識が非常に重要になってきます。

 

自分の独裁で突っ走るのではなく、従業員や他の役員などの意見にも耳を傾けるという意識が必要でしょう。

 

また、社内のみならず、顧問の税理士や弁護士、経営コンサルタント等外部の専門家のアドバイスも真摯に受け止めるという姿勢も重要だと思います。

 

中小企業は内部紛争が大きくなってしまうと、それこそ会社の存亡にも影響してしまいますので、いかに紛争を予防するかという観点が極めて重要です。

 

 

 

 

 

 

  
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