弁護士になるためには、司法試験という難関国家試験に合格しなければなりません。
通常、司法試験に合格するのは、東大や京大、早稲田、慶應、中央といういわゆる一流大学の出身者がその大半を占めています。
しかし、私は駒澤大学の出身。
少なくとも当時はほとんど司法試験の合格実績がない大学でした。
そんな、非エリートの私が、どのように司法試験に合格して弁護士になったかをお話します。
第2回 さらなる迷走時代 ~遊びほうけた大学時代前半
<目次>
1 授業がサッパリわからない!
2 サークル活動に逃げる
3 遊ぶ金欲しさにがんばったアルバイト
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1.授業がサッパリわからない!
どうにかこうにか合格させてくれた駒澤大学法学部。
しかし、こうしたいい加減な動機で大学に入っていますので、入学してからも一生懸命に勉強しようとか、そんなモチベーションはほとんどありません。
そんな私が、大学の勉強から遠ざかってしまうのは時間の問題でした。
授業に足を運んでみても、何をやっているのかサッパリわからない!
しかも、法律という学問は、とにかく外見上やたらと難しく、とっつきにくく感じます。
おまけに、私が大学に入学した当時の法律は、まだ多くが旧仮名づかいのいわゆる文語体で書かれていました。
たとえば、法学部に入学すると、最初に「民法」の授業があるのですが、当時の民法85条の条文はこんな感じでした。
「本法ニ於テ物トハ有体物ヲ謂フ」
当然、授業に出てもチンプンカンプン。
私は、早くも法学部に入学したことを激しく後悔しました。
もともと勉強するモチベーションも低い上に、こうした「壁」に阻まれて、大学の授業からは早々に遠ざかることになってしまったのです(笑)。
2.サークル活動に逃げる
私が大学に入学したのは1990年代の前半、もういわゆるバブルというのは崩壊していたのですが、その後深刻な不況が長期化するといった予想はまだほとんどなく、そのうちまた景気は回復するだろうとか言われていました。
いわゆる失われた10年とか、20年とか言われるのはもっと後の時代のことです。
ですから、当時の大学はまだのんびりしたもので、大学がレジャーランドであるとか言われていた時代でした。
とりあえず大学に入ったら遊ぶのが当たり前といった雰囲気でした。
大学の授業から遠ざかることになってしまった私は、当時流行していたサークル活動というものに逃げることになります。
たまたまキャンパスの中で勧誘された自転車のサークルに入りました。
このサークルは、自転車にキャンプ道具などを積んでツーリングに出かけるという活動をしており、夏休みには北海道で合宿をしていました。
このサークルに入ってからは、普段はアルバイトに明け暮れ、休みになると自転車旅行に出かけるということを繰り返していました。
このサークル活動では、かけがえのない友人たちに出会うことができました。
やっぱり、一緒に貧乏旅行をしてキャンプして寝起きを共にしたりすると、仲間との絆が深まるものですね。
彼らとは今でも親しい付き合いを続けています(この前この時の仲間とzoom飲みもしました😀)。
また、夏休みに東京の自宅から北海道まで約1週間かけて自転車で走破するという貴重な経験(?)もすることができました。
3.遊ぶ金欲しさにがんばったアルバイト
このように遊び呆けていた大学時代ですが、遊ぶのにもお金がいります。
そこで、当時の私は、授業に出ない代わりに、真面目にアルバイトに勤しんでおりました。
引越しや造園会社、空調会社でのバイト、駒沢公園のグランド整備など肉体労働ばかりでしたが、その中でも長く続けていたのが、当時表参道にあった某大手都市銀行の行員の接待用の寮での厨房の皿洗いのバイトです。
ここは、主に行員が接待や歓送迎会、忘年会などで使う料亭のようなところで、和食、洋食、中華の3つの厨房に別れていました。
皿洗いのバイトは、この3つの厨房を掛け持ちして、ホールから運ばれてくる汚れた皿をひたすら洗い、業務用の洗浄機にぶち込みます。
そして、洗浄が終わったばかりの熱々の皿を食器棚に片付けるというのが仕事です。
このバイトは、時給1400円と、当時のこの種のアルバイトとしては破格の値段で魅力的でした。
暇なときは暇でしたが、歓送迎会や忘年会のシーズンなどは凄まじい忙しさでした。
流しに置かれた山のような汚れた皿を前に、気合を入れて仕事に取り掛かります。
一定の時間内に要領良く皿をさばかないと、あっという間に皿が足りなくなってクレームがきます。
かといって、乱暴に皿を扱えば皿が割れてしまいます。
一定の時間内に速く正確に仕事をこなす、これはどんな仕事でも基本だと思いますが、それをこのときの経験で学ぶことができたように思います。
こうした経験があったためか、今でも家庭内の皿洗いは大好きです。
というか、このときの悲しいサガで、流しに汚れた皿が溜まっていると、「よし、洗うぞ!」と俄然ファイトが湧いてきてしまうのです(笑)。
このバイトでは、同じ厨房で働くコックさんや、ホールのスタッフの方などととても親しくさせていただきました。
仕事が終わるのは夜の10時過ぎですが、その後、少しだけみんなで余ったまかないなどをつまみにビールで乾杯するのです。
当時からお酒が好きだった私は、この時間が楽しくて仕方ありませんでした。
そのまま仕事が終わってから飲みに連れて行ってもらうこともありました。
世間知らずの学生である私は、こうしたアルバイトを通じて、ほんの少しだけ、社会の中で働くとはどういうことなのか、学ぶことができたように思います。
さて、次回は、そのような遊び呆けていた私が、大学時代後半には少しずつ勉強に目覚めるようになっていったことについてお話したいと思います。
それでは、また。
【編集後記】
今日は在宅でリモートワークです。
zoomによる打ち合わせや会議が合計で4件も入っています。
6月に入って少しずつ新規のご相談も増えてきました。