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こんな遺言書があったために子どもたちが泥沼の相続争いに~ モメない遺言を作るための3つのポイント

働くお母さまの為の離婚相談

遺言というものは、通常は将来相続人が遺産をめぐって争わないようにするために作るものです。

 

ところが、世の中には、こんな遺言書があるために、かえって子どもたちが将来相続争いをしてしまうということが起こりうるのです。

 

せっかく遺言を書くのですから、将来相続人が争いを起こさないような配慮が必要です。

 

今日は、モメない遺言を作るためのポイントを整理してみました。

<目次>

1.こんな遺言書はちょっと危険? 遺言書がきっかけで子どもたちが泥沼の相続争いに

2.モメない遺言を作るために大切な3つのポイント

3.まとめ ~専門家のアドバイスを受けましょう

 

 

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1.こんな遺言書はちょっと危険? 遺言書がきっかけで子どもたちが泥沼の相続争いに

遺言書とは、自分が亡くなった後に、誰にどの財産を引き継がせるかを決めるものです。

 

通常であれば、遺言書を書く目的は、自分が亡くなった後に、自分の相続人が自分の遺産をめぐって争うことを事前に防止するためです。

 

ところが、たとえば、相続人として子どもが3人いる方で、ご自身の遺産をすべてそのうちの1人に相続させるという趣旨の遺言を書かれる方がいます。

 

もし遺言がなければ、子ども3人が平等の割合で親の遺産を相続できるのですが、遺言を書けば、この平等の割合を変えてしまうことができます。

 

そうすると、上記のようにきょうだいの間で極端に不公平な遺言を作ってしまうと、親が亡くなった後に主に遺留分の請求などをめぐって子どもたちが泥沼の争いをしてしまうことがあります。

 

また、遺言書に書かれた内容が不明確であったために、後々遺言の法律上の効力が争われてしまうということもよくあります。

 

将来の紛争を予防するために書いた遺言が、かえって紛争の種になってしまうということがあるのです。

 

それでは、遺言を作る際にどのようなことに気をつければ、こうした後々の紛争を防止することができるのでしょうか?

 

2.モメない遺言を作るために大切な3つのポイント

(1)相続人の間の公平性に配慮すること

相続人が子どもである場合には、これは非常に重要なポイントになります。

 

戦前の家督相続の時代であればいざ知らず、現代では、人の人情として、長男長女であろうが末っ子であろうが、親から平等に扱われたいという要求は非常に強いものがあります。

 

もし安易に子どもたちきょうだい間で不公平な遺言を作成してしまうと、不利益な扱いを受けた子どもとしては引っ込みがつきません。

 

はるか昔の幼少時代にまで遡って溜まりに溜まった恨み辛みが、親の遺産の取り合いをめぐって噴出することになってしまいます。

 

そうなると、もはや文字通り相続人同士の泥沼の争いとなってしまいます(これを「争続」とも言います)。

 

ですから、遺言を書く際には、完全にきょうだいで平等とはならない場合でも、それなりに親が子どもたちの間の公平性に配慮したという姿勢を示すことが重要です。

 

たとえば、実家の土地建物は長男に相続させるが、それ以外の預貯金や有価証券などを他の子どもに相続させるようにするなどが考えられます(もちろん、金額的なバランスも必要でしょう)。

 

(2)遺留分に配慮した遺言にすること

しかし、そうは言っても、実際には様々な事情で、きょうだいの間で差をつけた遺言にせざるを得ない場合も少なくないでしょう。

 

たとえば、長女は親と同居して介護など親の面倒を見てきたが、長男は家を出て親と別居していたようなケースです。

 

この場合は、やはり親としては自分の面倒を見てくれた長女に遺産をあげたいと思うでしょう。

 

しかし、すべて遺産を長女に全部あげてしまう遺言を書いてしまうと、後に長男から長女に対して遺留分侵害額の支払請求をされるおそれがあります。

 

遺留分というのは、遺言によっても奪うことのできない一定の相続人に残された権利であり、子どもが相続人である場合には、遺留分は法定相続分の半分になります(きょうだい2人のみが相続人であれば、法定相続分は各2分の1であり、遺留分はその半分の各4分の1となります)。

 

つまり、簡単に言えば、長女にすべての遺産を相続させるとの遺言を作ったとしても、相続開始後に長男が遺留分の請求を行えば、4分の1は長男に権利があることになるわけです。

 

ですから、このようなケースでは、予め長男の遺留分に配慮して遺言を作ることが重要です。

 

要するに、すべてを長女にあげてしまうのではなく、4分の1に相当する遺産は長男に与えるようにしておけば、相続開始後に長男は遺留分の請求をすることはできなくなりますので、余計な紛争は予防できることになるというわけです。

 

(3)公正証書遺言を選択し、できるだけ専門家のアドバイスを受けて作ること

遺言は、自筆証書遺言といって、ご自身の手書きで作成することもできます。

 

しかし、自筆証書遺言は要件が厳しく、要件に違反していると遺言そのものの効力が否定されてしまいます。

 

また、かろうじて有効であったとしても、内容が不明確であるために、後々相続人の間に争いがおきてしまうこともあり得ます。

 

そこで、費用はかかりますが、遺言を作るならできるだけ公正証書遺言の形式を選択されることをお勧めします。

 

公正証書遺言は、公証役場で公証人という法律の専門家が作る遺言です。

 

専門家が作成しますので、後で法律上無効になってしまうようなリスクはほとんどありません。

 

また、公正証書遺言の作成手続きを丸ごと弁護士に依頼してしまえば、弁護士が遺言を作成される方のご事情を聞き取った上で、遺言書の案文を作成することになります。

 

この段階で、将来の無用な紛争が発生しないように、遺言書の内容をきちんとアドバイスすることが可能になります。

 

さらに、このとき依頼した弁護士を遺言の執行者に指定しておけば、相続開始後の遺言の執行のて続きもスムーズに行きます。

 

このように、できるだけ専門家に関与してもらって遺言を作成した方が、将来的な紛争を予防できる可能性は高いと思います。

 

3.まとめ ~専門家のアドバイスを受けましょう

弁護士に依頼して公正証書遺言を作成しますと、弁護士費用や公証役場の手数料などで、ざっと10万円~20万円程度の費用がかかります。

 

しかし、せっかく作った遺言が将来無効になってしまったり、相続人同士で泥沼の争いになることを予め防止できるのであれば、安い費用であると思います。

 

もし将来相続争いに発展してしまった場合、解決までに数年かかることもありますし、その間弁護士に解決を依頼すればかなりの費用がかかってしまう可能性ががあります。

 

ということで、将来の「争続」問題を避けるために、遺言はできるだけ専門家のアドバイスを受けて作るようにした方が良いと思います。

 

 

【編集後記】

本日の朝日新聞朝刊の都心版(中央区、千代田区、港区、新宿区)に、暮らしの法律相談コーナーで私が執筆した原稿が掲載されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
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