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緊急事態宣言が出された場合にどうなるか? 

働くお母さまの為の離婚相談

1 新型インフルエンザ特措法の改正
昨今の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国民生活や経済、社会に重大な影響を与えるリスクに対し総合的な対策を講じられるよう、新型インフルエンザ対策特別措置法の改正が行われ、3月14日から施行されました。

  これにより、いわゆる緊急事態宣言が出されるのではないかということが議論されています。

緊急事態宣言が出されると、欧米諸国のように外出禁止になるのではないかということが言われ、食料品や生活物資の買い占めの動きが見られています。

  我が国で、この新型インフル特措法に基づく緊急事態宣言が出されると、実際にはどうなるのでしょうか?

2 改正新型インフルエンザ特措法の概要
  まず、新型インフル特措法の32条では、政府対策本部が、新型インフルエンザ等が国内で発生し、その全国的なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある等の場合に、緊急事態宣言を出すことができるとされています。
  
  ここでいう、「新型インフルエンザ等」には、国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限るとされており、昨今の新型コロナウイルスはこれに該当するものとされています。

  緊急事態宣言が出されたことの効果として、同法の45条では、都道府県知事が外出自粛や学校、社会福祉施設、興行場等の施設の使用制限停止要請や指示が出せることになっています。

  ただし、これらはあくまで都道府県知事による要請や指示であって、強制力はなく、違反しても罰則はありません。

  ですから、現行の法制度の下では、日本では諸外国のようにいわゆる強制力を伴う「外出禁止」などのような強い措置はとることはできないことになっています。

  なお、こうした要請や指示に従って、外出の自粛や施設の使用停止を行ったとしても、それに伴う補償については特に規定されていません。

  よって、緊急事態宣言が出され、要請や指示に従って仕事を休んだり、自営業者が店を閉めたからといって、それに関する休業補償などは特にないということになっています(ただし、実際に緊急事態宣言が出された場合には、その内容に応じて補償の措置がとられる可能性はなくはありませんが)。

3 我々はどのように行動すべきか?
  このように、我が国で緊急事態宣言が出されても、原則として強制力はありません。

  しかしながら、新型コロナウイルスの感染爆発にる医療崩壊など、欧米の惨状を見ていると、こうした外出自粛の要請を無視することはできないでしょう。

  個々人が、自身が感染しないように注意することはもちろん、感染を広げないような注意も求められるでしょう。

  ただ、外出の自粛が長引くと、思わぬ被害も出てくるもので、欧米ではこの数週間で家庭崩壊やDVが増えているとの報告もあります。

  先の見えない外出自粛が続くことによる精神的な疲弊というものも無視できませんが、この問題は別の機会に改めて取り上げたいと思います。

4 このようなときこそ権力の監視を怠りなく
  ところで、イスラエルの歴史学者であるユヴァル・ノア・ハラリ氏が、こうした危機を理由として、全体主義的傾向が強まることに警鐘を鳴らしています。
  https://r.nikkei.com/article/DGXMZO57374690Y0A320C2000000?unlock=1&fbclid=IwAR0bom8Nz8t3JER9g_7g6hIpFLrvgB93t13eZY4Fxhkl4IMBSqu_4jJ2dPU&s=3

  緊急時には歴史的な決断でもあっという間に決まり、平時には何年もかけて検討するような決断がほんの数時間で下される。そして、多くの短期的な緊急措置は、嵐が過ぎ去った後も消えることはないといいます。

  こうした緊急時の危機を理由とした「特別措置」が、多くは様々な理由がつけられて危機が去った後も残り、国家がより強固に市民を監視するシステムができあがってしまうことの恐ろしさを危惧しています。

  戦前の明治憲法下においても、多くの緊急事態によって戒厳令や緊急勅令などが出され、それをきっかけに多くの国民の人権が制限されて行きました。

  こうした歴史も踏まえ、こういう危機的なときこそ、国民として権力をしっかりと監視していくという視点が大切であろうと思います。
  

  
  

  
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