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コロナ対策・給付金を「世帯」単位で支給する愚 ~東日本大震災のときの教訓が生かされていない!?

働くお母さまの為の離婚相談

新型コロナウイルスによる減収や生活困窮対策として、「世帯」あたり30万円を支給するという話がありました。

いまだに、こうした支援を「世帯」単位で行おうとする政府の感覚には唖然としてしまいます。

結果的にこの政策は撤回され、1人10万円に改められましたが。

この話を聞いたとき、私は東日本大震災の被災者支援で、岩手県の大船渡市や宮城県の気仙沼市の仮設住宅に行って法律相談を受けたときのことを思い出しました。

そこでも、夫からDVを受けて逃げている女性や、夫と別居している女性の相談者がいました。

あのときも、被災者生活再建支援法という法律によって、被災者はその被災の程度に応じて被災者生活再建支援金を受けることができたのですが、これが「世帯」単位で、しかも「世帯主」に支給されることになっていました。

そして、「世帯主」は多くは夫であることが多いのが現実です。

そうすると、上記のDVを受けて逃げている女性や、夫と別居している女性は、震災で生活が困窮し、加えて夫との別居でさらなる困窮状態にあるにも関わらず、支給された支援金は「世帯主」である夫が握ってしまうという問題がありました。

私自身の経験でも、こうした相談を複数受けましたし、問題にもなっていました。

ですから、今回のコロナ対策で、減収「世帯」に対して30万円を支給するという措置を報道で知った時には、約10年前の東日本大震災の教訓が何も生かされていないと、強い憤りを感じました。

確かに、我が国は世界に冠たる戸籍制度が完備された国ですので、配る政府の方からしてみれば、「世帯」ごとに支給し、しかも「世帯主」に配った方が手続上支給しやすいということはあるでしょう。

しかし、世の中は、「世帯」「家族」が仲良くまとまっているとは限りません。

「世帯」ごとに支援するということは、こうした当たり前とされた「家族」の状態ではない人、様々な事情で「家族」がバラバラになっている人たちを冷酷に切り捨てる政策に他なりません。

これは、憲法13条が保障する個人の尊厳の理念に真っ向から反する政策ですし、何より、家族の多様性が叫ばれている昨今、時代錯誤な政策と言わざるを得ません。

先の「世帯」ごとに30万円という措置は撤回されたものの、自民党の執行部や与党の中に、こうした「世帯」単位で支給することに何の疑問を感じないような感性の人が未だに多いという現実は、残念ながらまだ根強く残っているようです。

東日本大震災のときもそうでしたが、こういった災害のときは、「弱者」ほどより過酷な状況に置かれます。

子どもを抱えて夫と別居中の女性などは、ある意味その典型と言えましょう。

「世帯」単位で発想し、こうした「個人」を切り捨てるような社会であってはなりません。

 

  
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